国内の移動式クレーンメーカー6社を紹介|得意分野と製品の違い

国内の移動式クレーンメーカー6社(Crane-Info アイキャッチ) メーカー

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「クレーンのメーカーってどこがあるの?」「タダノと加藤って何が違うの?」という疑問に答えるために、日本の主な移動式クレーンメーカー6社を、得意な機種ごとに紹介します。

移動式クレーンは、タイヤで公道を走る「ラフテレーンクレーン・オールテレーンクレーン」、キャタピラで動く「クローラクレーン」、トラックの荷台に載せる「トラック搭載型クレーン」などに分かれます。メーカーごとに得意な種類があるので、まず一覧表で全体をつかみましょう。

青空と雲を背景に高く伸びる移動式クレーンの伸縮ブーム
Alex 0101

ひと目で分かる一覧表

メーカー本社得意なクレーン
タダノ香川県高松市ラフテレーン、オールテレーン、車両搭載型
加藤製作所(KATO)東京都品川区ラフテレーン、オールテレーン、クローラ
コベルコ建機東京都港区・広島県広島市(2本社制)クローラクレーン
住友重機械建機クレーン東京都品川区クローラクレーン
古河ユニック東京都千代田区トラック搭載型(ユニック)、ミニ・クローラ
前田製作所長野県長野市かにクレーン(ミニ・クローラ)
国内クレーンメーカー6社の得意な機種の比較

タダノ|日本を代表する総合クレーンメーカー

タダノは香川県高松市に本社を置く、国内大手のクレーンメーカーです。1919年に創業し、1955年に日本初の油圧式トラッククレーン(OC-2型)を開発しました。

建設用クレーン、車両搭載型クレーン、高所作業車まで幅広く手がけ、海外でも高いシェアを持つ製品があります。2023年には、世界初の完全電動ラフテレーンクレーン「EVOLT eGR-250N」を発売しました。現場で「タダノのラフター」という呼び方をよく耳にするのも、それだけ普及しているからです。

加藤製作所(KATO)|クレーンもショベルも作る総合建機メーカー

加藤製作所は東京都品川区に本社を置く総合建機メーカーで、タダノと並ぶ移動式クレーンの大手です。

ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、クローラクレーンに加え、油圧ショベルや路面清掃車、スノースイーパまで手がけています。クレーン以外の建機も幅広く作っているのが特徴です。

夕焼け空に浮かぶクローラクレーンのシルエット
Alan Jiang

コベルコ建機|クローラクレーンの大手

東京都港区と広島県広島市佐伯区に本社を置くコベルコ建機は、油圧ショベルで有名ですが、キャタピラで走行するクローラクレーンの大手でもあります。

クローラクレーンは地面との接地面が広く安定しているため、ビルや橋の建設、基礎工事などで長期間その場に据えて使われます。大型ブームを装備した機種も揃えています。

住友重機械建機クレーン|クローラクレーンの専業メーカー

住友重機械建機クレーンは東京都品川区に本社を置き、クローラクレーンと油圧アースドリルを製造・販売しています。

以前は日立建機との合弁でしたが、2022年末に住友重機械工業の完全子会社となりました。古い資料や中古機で「日立住友」の名前を見かけるのはこのためです。なお、2027年1月1日に住友重機械工業へ吸収合併される予定です(2026年6月発表)。

古河ユニック|「ユニック」の生みの親

古河ユニックは東京都千代田区に本社を置き、1946年に設立された会社です。

トラックの荷台と運転席の間にクレーンを載せた「ユニッククレーン」が主力です。現場では、トラック搭載型クレーンそのものを「ユニック車」と呼ぶほど定着した名前です。小型のミニ・クローラクレーンも手がけています。

前田製作所|狭い場所に強い「かにクレーン」

前田製作所は長野県長野市に本社を置き、1962年に設立されました。もとは前田建設工業の機械工場です。

代表製品の「かにクレーン」は、4本の脚をカニのように広げて車体を支える小型のクローラクレーンです。建物の中や狭い路地、不整地など、大きなクレーンが入れない場所で活躍します。コマツ建機の販売代理店という顔も持っています。

型式名でメーカーを見分けるコツ

現場でクレーンを見かけたとき、ボディのロゴが見えなくても、車体やブームに書かれた「型式名」でメーカーの見当がつくことがあります。型式名の頭の英字は、メーカーと機種の種類を表していることが多いからです。代表的な例をまとめました。

メーカー型式の例機種の種類
タダノGR-○○○、AR-○○○GR=ラフテレーン、AR=オールテレーン
加藤製作所SL-○○○、KA-○○○SL=ラフテレーン、KA=オールテレーン
コベルコ建機SL○○○○、TK○○○SL=大型のラチスブーム・クローラ、TK=テレスコブームのクローラ
住友重機械建機クレーンSCX○○○○、○○○TLXSCX=ラチスブームのクローラ、TLX=テレスコブームのクローラ
古河ユニックURV○○○トラック搭載型クレーン
前田製作所MC-○○○かにクレーン(ミニ・クローラ)

ここで注意したいのが「SL」です。加藤製作所のラフテレーン(SL-850Rfなど)と、コベルコ建機の大型クローラ(SL16000Jなど)は、どちらもSLで始まります。タイヤで走る小回りのきくクレーンと、何百トンも吊る巨大なクローラでは、まったく別物です。型式だけで判断せず、タイヤかキャタピラか、ブームの形はどうかを合わせて見ると、見間違いがありません。

数字の部分は、多くの場合つり上げ能力(トン数)の目安です。たとえばタダノのGR-1450EXは145トン、AR-7000Nは700トン吊りです。ただし数字の付け方はメーカーや年代によって違うため、正確な能力は必ずカタログや定格総荷重表で確認してください。荷重表の見方は定格総荷重表の読み方で解説しています。

メーカーを選ぶときは「買ったあと」も見る

クレーンは、買ってから10年、20年と使い続ける機械です。そのため、メーカーを比べるときは本体の性能だけでなく、買ったあとのサポートも大切な判断材料になります。

サービス拠点と部品供給

故障したときに、近くにサービス拠点があるかどうかで、復旧までの時間が大きく変わります。現場が止まると、クレーンだけでなく後に続く作業すべてが止まってしまうからです。また、古い機種は部品の供給が終わっていることもあります。中古機を検討するときは、そのメーカーが今もその機種の部品を出せるかを、購入前に確かめておくと安心です。

問い合わせの前に「銘板」を確認

メーカーや販売店に問い合わせるときは、車体に付いている銘板(型式と製造番号が書かれたプレート)を控えておきましょう。同じ型式でも、製造時期によって部品や仕様が違うことがあるため、製造番号が分かると話が早く進みます。症状が出たときの状況(いつ、どの操作で、警告表示は出たか)をメモや写真で残しておくのも効果的です。

検査と点検はメーカーを問わず必要

どのメーカーのクレーンでも、法律で決まった検査や点検は欠かせません。つり上げ荷重3トン以上の移動式クレーンには、2年ごとの性能検査があり、年1回・月1回の定期自主検査と、作業開始前の点検も求められます。詳しくは移動式クレーンの検査と届出とクレーンの目視点検をご覧ください。

海外メーカーのクレーンも走っている

国内では6社のクレーンが中心ですが、海外メーカーの機械も使われています。ドイツのリープヘルは大型のオールテレーンやクローラで日本でも実績があり、ドイツのデマーグは現在タダノのグループに入っています。中国メーカーも日本法人を作っていますが、移動式クレーンが国内で使われている例は、公開情報ではまだ確認できません。詳しくは欧米クレーンメーカーの日本進出と中国クレーンメーカーの日本進出予想でまとめています。

よくある質問

タダノと加藤製作所はどちらが良いですか?

どちらが上ということはありません。どちらもラフテレーンとオールテレーンを幅広くそろえた国内の大手です。実際には、使いたい現場で必要な能力の機種があるか、近くにサービス拠点があるか、操作に慣れたオペレーターがいるか、といった条件で選ばれることが多いです。

「ユニック」はメーカー名ですか?

ユニックは古河ユニックのブランド名です。ただ、とても広く普及したため、現場ではほかのメーカーのトラック搭載型クレーンも含めて「ユニック車」と呼ぶことがよくあります。

ラフターとクローラはどう使い分けますか?

ラフテレーンクレーンは自分で公道を走って現場に入れるので、短い期間の作業に向いています。クローラクレーンは分解して運び、現場で組み立てる手間がかかる分、大きな荷物を長期間吊る工事に向いています。違いはラフター・オールテレーン・クローラの違いで詳しく比べています。

まとめ

公道を走るラフテレーン・オールテレーンならタダノと加藤製作所が二大メーカーです。大きな工事で使うクローラクレーンならコベルコ建機と住友重機械建機クレーン、トラック搭載型なら古河ユニック、狭い場所の小型クレーンなら前田製作所、と覚えておくと現場で見かけるクレーンの見分けがつきやすくなります。

各社の最新の機種や仕様は、各メーカーの公式サイトで確認してください。

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