移動式クレーン運転士免許の取り方|試験の科目・教習所ルート・小型移動式との違い

移動式クレーン運転士免許の取り方のアイキャッチ(免許証とラフテレーンクレーンのイラスト) 資格・免許

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「ラフターを運転するにはどんな資格がいるの?」「免許と技能講習は何が違うの?」という疑問に答えるために、この記事では移動式クレーン運転士免許の取り方を、試験の中身と2つのルートに分けて解説します。

クレーンの運転資格は、つり上げ荷重で3段階に分かれます。資格の全体像はクレーンの種類と荷重別の検査・資格でまとめているので、あわせてご覧ください。

どのクレーンに免許が必要か

移動式クレーンの運転資格は、そのクレーンのつり上げ荷重で決まります(クレーン等安全規則 第67条・第68条)。

つり上げ荷重必要な資格
1トン未満小型移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育
1トン以上5トン未満小型移動式クレーン運転技能講習の修了(または免許)
5トン以上移動式クレーン運転士免許

現場で見かけるラフテレーンクレーンは、小さいものでも10トン吊り前後からが中心です。オールテレーンクレーンやクローラクレーンも含めて、建設現場の移動式クレーンを運転するなら、移動式クレーン運転士免許がほぼ必須と考えてよいでしょう。

一方、トラックに載ったユニック車(トラック搭載型クレーン)は、つり上げ荷重が5トン未満の機種が多いため、小型移動式クレーン運転技能講習で運転できる場合がよくあります。自分が扱うクレーンの能力を、車体の表示や検査証で確かめてから資格を選びましょう。

なお、クレーンの資格はクレーンを「操作する」ための資格です。ラフターで公道を走るには、別に道路交通法の運転免許(大型特殊自動車免許など)が必要です。

免許を取る2つのルート

移動式クレーン運転士免許は、国家試験(免許試験)に合格して取得します。試験は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の各地の安全衛生技術センターで行われます。合格までの道のりは、大きく分けて2つあります。

ルート1:教習所で実技を修了してから学科試験を受ける

いちばん多いのが、登録教習機関(いわゆるクレーン教習所)で移動式クレーンの運転実技教習を受け、修了してから学科試験だけを受けるルートです。教習所の修了証があると、試験センターでの実技試験が免除されます。

教習所では、実際のラフテレーンクレーンを使って、操作の基本から試験コースの走らせ方、合図の出し方まで教わります。持っている資格(大型特殊免許、小型移動式クレーン運転技能講習、玉掛け技能講習など)によって教習時間が短くなることがあるので、申し込む前に教習所へ確認しましょう。

ルート2:試験センターで学科と実技の両方を受ける

教習所に通わずに、学科試験と実技試験を両方とも試験センターで受けることもできます。ただ、実技試験は試験センターのクレーンで決められたコースを操作する一発勝負です。普段から移動式クレーンを操作している人でない限り、合格は簡単ではありません。

学科試験に合格した人は、その学科試験の日から1年以内であれば、実技試験だけを受けられます。実技試験の手数料は1回14,000円です(関東安全衛生技術センターの実技試験案内より)。

学科試験の中身

学科試験は五肢択一式で、40問・2時間30分です。科目は次の4つで、それぞれ10問ずつ出題されます。

科目主な内容
移動式クレーンに関する知識種類と構造、ブーム・ワイヤロープ・安全装置のしくみ
原動機及び電気に関する知識エンジン、油圧装置、電気の基礎
関係法令クレーン等安全規則などのルール
移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識力のつり合い、重心、荷重の計算

力学の科目は、一定の資格を持つ人は免除になり、その場合は30問・2時間で受験します。合格の基準は、科目ごとの得点が40%以上で、かつ合計が60%以上です。最新の試験日程や手数料、免除の条件は、受験前に必ず安全衛生技術試験協会の受験案内で確認してください。

勉強のコツ

学科試験は、過去に出た問題と似た問題が多く出る傾向があります。安全衛生技術試験協会は過去の試験問題を公表しているので、市販の問題集と合わせて繰り返し解くのが近道です。

力学の科目は、計算が苦手な人がつまずきやすいところです。ただ、出てくるのは「てこの原理」「重心」「荷の質量の求め方」など、パターンの決まった計算がほとんどです。公式を丸暗記するより、ブームを長く伸ばすほど吊れる重さが減る理由を、てこの原理で説明できるようになると理解が早まります。この考え方は、実際の現場で定格総荷重表を読むときにもそのまま役立ちます。

実技試験の中身

実技試験は「移動式クレーンの運転」と「移動式クレーンの運転のための合図」の2つです。運転では、ブームの起伏・旋回・巻上げ・巻下げを組み合わせて、荷を決められたコースに沿って動かし、目標の位置に下ろします。荷を大きく揺らさないこと、コースの障害物に当てないこと、決められた時間内に終えることが求められます。

合図の試験では、クレーンを運転する人に向けて、手や笛で決まった合図を正しく出せるかを見られます。移動式クレーンの作業では、運転する人から荷が見えない場面がたくさんあります。合図は作業の安全を左右する大切な技術です。

合格したあとの手続き

試験に合格したら、免許証の交付を申請します。申請先は東京労働局の免許証発行センターで、合格通知に同封された書類を使って郵送で申し込むのが一般的です。免許証が届けば、5トン以上の移動式クレーンを運転できるようになります。

ただし、免許を取ったからといって、すぐに大きなクレーンを自由に扱えるわけではありません。多くの会社では、小さめの機種から経験を積み、先輩の補助として現場に入りながら、少しずつ大きな機種を任されるようになります。

免許を持っている人が気をつけたいこと

免許はあくまでスタートラインです。移動式クレーンの事故の多くは、操作の腕前よりも、作業前の確認不足から起きています。現場では次のような点を、毎回の習慣にしておくことが大切です。

よくある質問

年齢の制限はありますか?

移動式クレーン運転士免許は、満18歳以上でないと交付されません。高校在学中に学科試験を受けることはできても、免許証の交付は18歳になってからです。

小型移動式クレーンの技能講習とどちらを先に取るべきですか?

扱うクレーンが5トン未満のユニック車だけなら、技能講習で十分です。小型移動式クレーン運転技能講習は通常3日間(学科13時間・実技7時間)で、修了試験に合格すればその場で資格が得られます。将来ラフターやクローラを運転したいなら、最初から免許を目指すほうが二度手間になりません。

免許があれば玉掛けもできますか?

できません。荷にワイヤロープを掛け外しする玉掛けには、別に玉掛けの資格が必要です。クレーンの仕事では、運転と玉掛けの両方を求められることが多いので、セットで取得しておくと仕事の幅が広がります。

まとめ

5トン以上の移動式クレーンを運転するには、移動式クレーン運転士免許が必要です。教習所で実技を修了してから学科試験を受けるルートが一般的で、学科試験は4科目・40問、科目ごと40%以上・合計60%以上で合格です。

試験の日程や手数料は年度ごとに変わることがあります。受験を決めたら、安全衛生技術試験協会や最寄りの安全衛生技術センター、教習所の最新の案内を確認してください。

参考資料

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